緊急事態宣言下の二学期 長倉三郎先生の言葉
9月1日に始業式を行い、二学期が始まりました。
始業式では、当初、夏休み中の越境や、沼津東で育てたい資質・能力自己評価の結果を話そうと思っていたのですが、新型コロナウイルス対策の話をせざるを得ませんでした。始業式はzoomにより行い、生徒は教室で私の話を聞くことになりました。zoomなので私の姿や音声は映像として伝わりますが、3学年そろって式典を行うことが1年以上できていません。私としても、PCに向かって話をするよりも生徒の顔を近くに見ながら話をしたいのですが、もうしばらくこのような形が続くのかもしれません。
コロナ下にあって、授業は変わりつつあります。当初はオンライン学習と言っても学習動画を学校から配信し、生徒がそれを視聴する形態が中心だったのですが、今は学校全体で双方向性の学習を重視する形になってきました。ICTが目的ではなく学びの手段になりつつあることを感じます。コロナ禍にあっても学びの工夫は止めることはできません。
8月30日に本校出身の長倉三郎先生のご遺族から、遺産を寄付していただきました。学校では、今回のことに関連して、香料記念館に特設コーナーを設けて、先生の功績をたたえ、遺徳をしのび、生徒に紹介するとともに、著書については各クラスに配置する予定です。
香料記念館の前に長倉先生の文化勲章受章記念碑があります。碑文には「21世紀は若人の知的創造に期待する時代」として、「柔軟な思考と逞しい気力で独自の道を拓き新しい文化の創造に貢献してください」と書かれています。平成6年の春に書かれたものだと思いますが、これからの変化の激しい時代、沼津東高校がどのような生徒を育成するか考えるとき、私はいつもこの長倉先生の言葉を思い起こすとともに、先生の先を見通す眼力のすばらしさを感じます。